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新型コロナ終息時期を迎えての国内旅行と訪日外国人の事前検討

政府、厚生省、観光関係のサイトを参考に「コロナ終息期における国内観光や訪日観光」について独断と偏見で整理予想したものです。今後の観光の道標の参考になれば幸いです。

■日本国民のワクチン接種の完了・終了は、早ければ、今年中か?国内の回復は、年明け早々か?

2021年6月1日時点での予想です。

<日本政府のワクチン契約状況と供給>

・ファイザー 9700万人分16歳以上(年内供給の契約) 内、5000万回分は、9月までに受け取れる。 
・ファイザー 公的予防対象に12~15歳も決定(5月31日厚生省) 
・モデルナ   2500万人分18歳以上
(今年9月まで供給の契約)
  ※1人分(接種2回分) 
・大枠での供給は決まっているものの、ファイザーからの供給は、厚生省自体もその都度短期的な供給分しかわからないようです。
 今後の供給状況は、来月分(7月)までしか発表されていません。

・コロナワクチンは、毎年接種しなければならないかは、まだ不明のようです。

【ワクチン接種の終了時期予想】
※仮にスムーズに供給が行われた場合                 
    人口  接種期間  接種終了時期予想  
 65歳以上  3600万人   3カ月  2021年7月頃終了(政府要請) 7月は選挙対策か?
 15~65歳未満 7400万人  6カ月予想  (2022年1月頃終了?) 早ければ今年中の終了可能性も
 15歳未満 1500万人 (1カ月半予想)  (2022年1月頃終了?) 12歳未満の接種がどうなるかで、観光マーケットへの影響も大きい。

 日本は、ワクチン接種で先進他国に大きく遅れており、昨年12月にイギリスの調査会社は、「日本が集団免疫を獲得し、通常に戻るのは2022年4月だ」としています。

 政府の要請通り、7月までに約3カ月で65歳以上(3600万人)の接種が終了し、そのペースで、15~65歳未満(7400万人)が接種したとすると、この年代の接種終了が来年1月頃になるのではないかと予想されます。今後接種機会が増加することが間違いないことと、非接種者への差別の圧力もあり、接種は急速に進むと思われ、今年いっぱいで終了する可能性も高いかも知れません。昭和大学の二木さんも、ワクチン接種は、今年中に終わるのでないかと、TV番組でコメントされています。
 懸念点は、12歳未満の子供の接種がどうなるかということです。遅れると、ファミリー向けの観光市場・レジャー市場は大きく出遅れます。

 専門家の調べだと、過去の大きな災害からの観光回復は、6カ月から1年ほどの期間がかかっているようです。
国内の旅行については、多くの消費者が我慢に我慢を重ねて来たため、政府や地方自治体が旅行を促したとすると、急速な回復となる可能性が高いと推測します。多少の感染防止のために自粛の呼びかけはされたとしても、大きな感染がない限り急速な伸びを示すと思われます。

 このことから、国内での観光旅行の回復を予想すると・・・・・   
  ・接種済みの方が夏過ぎから秋にかけてから少しずつ増えて、観光市場も少しずつ回復し始め、
   来年2月頃には、かなり良い状態になるのではないか?と予想されます。
  ・来年以降、コロナ禍以前を大きく上回る旅行需要が発生する可能性があります  
  ・(しかし、変異種などにより、感染再拡大の可能性もあり、ストップする可能性もあります。)   

■回復初期の国内旅行は、「家族同士・友人同士の絆の確認とすきま時間を埋める小旅行」が優先?

また、回復初期頃の国内旅行の形態を推測すると、

 ・アフターコロナの旅行形態としては、当然少人数がまずは中心(故郷・帰省への家族旅行や友人同士の旅行)
 ・家族、友人同士の絆を確認する小旅行や息抜きの小旅行へのニーズが高いものと思われます。
 ・政府に限らず、地方自治体による都道府県内の観光旅行を促進する助成金も供される可能性もあります。
 ・特に回復期は、久しぶりの故郷への帰省旅行で、故郷の温泉宿で宿泊して家族で楽しむケースも考えられる。
 ・一方、12歳以下の小さな子供は、ワクチン接種が遅くなるため、子供連れのファミリー旅行は、回復が遅れる
  可能性が高い。(大人中心の旅行市場がまず拡大か?) 
 ・目的地は、帰省以外は通常の観光地への旅行が中心になるが、人混みを避けた自然の多い場所への旅行やマイナー
  な観光地も注目される可能性がある。

■回復初期の訪日旅行は、ワクチン接種完了国から順に開国?
 
 ワクチン接種が進むシンガポール・中国・英国・カナダ・米国・フランスを優先的に開国か?接種が遅れる韓国・台湾は? (5月28日現在)

  2019年まで訪日外国人で経済が潤った日本ですが、今後の訪日外国人は、いつ頃から回復するでしょうか?日本経済新聞社が発表している100人当たりのワクチン接種状況をみると、ヨーロッパ、北アメリカは、日本の接種状況より、はるかに進んでおり、日本国内のワクチン接種終了時には、多く国で接種が完了しているものと推測されます。
 しかし、訪日の上得意様の台湾は、残念ながら遅れています。(しかし、アメリカが進んでいますので、アメリカ国内で終了次第、提供するでしょうから、日本より大きく出遅れることはないように予想します。※6月3日時点で日本の供給支援あり)
また、年間100万人以上の訪日客のあったタイ、同50万人以上あったフィリピン、ベトナム、マレーシアも遅れており、回復時期が心配です。

 下表の総合評価は、2019年の各国の訪日の実績とコロナワクチンの接種状況を考慮しながら、回復初期段階でのマーケットとしての価値を独断で評価したものです。接種が進んでいるシンガポール・中国・英国・カナダ・米国・フランスの評価が高くなっていますが、これらの国は、2019年度のマーケットサイズ、前年から伸び、一人当たりの消費額、訪日旅行の人口当たりの指数も高く、日本にとって回復初期段階で優良な国と言えるでしょう。訪日旅行の回復初期段階においては、これらの国々は、集客の対象として期待して良い国と言えます。
 
(※回復期初期段階のマーケティングの検討材料としてご利用いただければと幸いです。 info9@tajima-m.com)

 
   【2019年訪日外国人の観光実績とワクチン接種状況(5月28日)のデータ
  

「太平洋戦争の対応とコロナ禍対応 ~80年前と変わっていない日本~(リンク)」

国内観光・訪日外国人調査、DMO向け調査 ~コロナ感染防止の調査手法~ 

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